病気と感染症の違い、接触感染・飛沫感染・空気感染の違い

コラム

病気と感染症って同じものなの?

いいえ、病気はとても広い意味があります。感染症は病気の種類の1つです。

世界中が気軽に往来できるようになった昨今、人間は未知の細菌やウイルスと出会う機会も増えました。そのため、これまで以上に予防が必要な時代だと言われています。

予防で大切なことは、正しい知識で無駄なく効果的な細菌・ウイルス対策をすることです。細菌やウイルスを無駄に恐れず、接触感染・飛沫感染・空気感染などの感染経路を理解して、冷静に病気を予防する必要があります。

病気と感染症の違い

風邪やインフルエンザなどの感染症は、一般的に病気と呼ばれます。そのため「病気=感染症」のイメージは強いですね。ただ、感染症は病気の1つにすぎません。

病気とは

病気の定義は曖昧です。たとえばWikipediaを見ると、病気とは精神的または肉体的に不調がある状態となっていますが、これだと寝不足や飲み過ぎの不調も病気になってしまいます。

そのため医学的には、「活動性の支障、生命の維持と発展の支障」がある状態を病気と定義することが一般的だそうです。

感染症とは

感染症とは、病原体(細菌やウイルス、カビなどの微生物、寄生虫など)が体内に侵入・粘膜に定着して増殖することで、発熱や嘔吐・下痢など身体の内外で症状が現れることです。

そのため、発熱・せきなどの症状が出る風邪、インフルエンザ、はしか、おたふく風邪などだけじゃなく、水疱ができる「とびひ」や嘔吐下痢の「食中毒」も感染症です。

感染症以外の病気とは

一方感染症以外の病気とは、細菌やウイルスなどの病原体とは関係ないアレルギー疾患、生活習慣病、悪性腫瘍(ガン)など外傷以外で症状が出ることです。感染症以外の病気は、人に感染することはありません。

参照2013年7月号 感染症と感染症以外のすべての病気の違いとは?|大阪・梅田の太融寺町谷口医院 谷口恭のマンスリーレポート

じゃあ感染症ってどうやって感染するの?よく接触感染とか、飛沫感染とか言うけど、どういう意味?

細菌やウイルスは空気中を漂ったり、わたしたちの周囲の何かに付着しています。それらの病原体を体内に取り込むと感染してしまうんです。

細菌やウイルスの感染経路の種類

細菌やウイルスは種類によって繁殖力、感染力など特徴が違います。すべての特徴は覚えられませんが、感染源と感染経路を押さえておけば、予防をするための1つの目安になります。

感染源、感染経路とは

病原体の細菌やウイルスが存在する場所や物を「感染源かんせんげん」と言います。感染源には以下のものがあります。

細菌やウイルスの主な感染源
  • 人間には有害な細菌やウイルスを持った動物
  • 感染症にかかっている人(保菌者)
  • 細菌やウイルスで汚染された物や食べ物
  • 空気中など

これらの感染源から以下の経路(感染経路)を通って、細菌やウイルスに接触して感染症が起こります。

接触感染(直接感染)とは

接触感染せっしょくかんせんとは、細菌やウイルスに直接触れて感染することです。目や口などの粘膜部分をこすって感染、B型肝炎など注射器等の医療器具に接触して感染、とびひなど皮膚に触れただけで感染などさまざまです。

介達感染とは

介達感染かいたつかんせんとは、細菌やウイルスで汚染されたものを媒介した感染です。梅雨時期の食べ物や外国で飲む水などで食中毒を起こすのは、介達感染による感染症です。

飛沫感染とは

飛沫感染ひまつかんせんとは、咳やくしゃみの飛沫が体内に入って細菌やウイルスに感染することです。飛沫感染による感染症は風邪、インフルエンザ、ノロウイルス、はしかなどで、胃腸や肺で炎症を起こす感染するケースが多いです。

空気感染(飛沫核感染)

空気感染とは、空気中に漂う浮遊細菌や浮遊ウイルスを口や鼻から吸い込んで起こる感染です。強い感染力を持つ細菌やウイルスのみ空気感染します。

結核、はしか、水ぼうそうなどの感染症がありますが、種類はあまり多くありません。

関連外務省 海外安全ホームページ|感染症(SARS・鳥インフルエンザ等)関連情報

経口感染とは

経口感染けいこうかんせんとは、細菌やウイルスが付着した飲食物を摂取したときの感染です。

経口感染は、ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス、O-157など生命力・感染力が強いものが多く、食中毒や嘔吐下痢症などの感染症を発症します。

昆虫媒介感染とは

昆虫媒介感染こんちゅうばいかいかんせんとは、蚊やハエ、ノミ、ダニなどの昆虫類が媒介した細菌やウイルスに感染することです。

蚊が媒介するマラリア、デング熱、日本脳炎、ハエが媒介する高病原性鳥インフルエンザ、O-157などが有名です。

血液感染とは

血液感染とは、注射や歯科治療などの医療機器の接触などで血液が粘膜や傷口に付着して、細菌やウイルスに感染することを言います。血液感染には、B型肝炎、C型肝炎、AIDSなどがあります。

母子感染とは

母子感染ぼしかんせんとは、母体の細菌やウイルスが胎児に感染することです。

母子感染は「胎内感染」「産道感染」「母乳感染」のケースがあり、風しん、HTLV-1、水ぼうそう、性器ヘルペス、性器クラミジア感染症などが感染する可能性があります。

細菌やウイルスの感染を防ぐ基本対策

感染経路はわかったけど、具体的にどうやって予防すればいいの?

すべての細菌やウイルスを防ぐことは難しいですが、普段からできる予防方法はいくつもあるので覚えてください。

手洗い、うがい

接触感染、介達感染、飛沫感染、経口感染を防ぐためには、手洗いとうがいが基本です。多くの病原体は、手洗いとうがいだけで感染リスクが大きく下がります。

シーズン別のインフルエンザ定点あたり報告数

インフルエンザの流行はほぼ収束~いま高熱が続いたら、新型コロナウイルスか? | ニッセイ基礎研究所

2020年度は、コロナ対策で多くの人が手洗い・うがいをしていたたためインフルエンザの感染数が普段の半分に減ったそうです(他にも要因はありますが)。

米疾病対策センター(CDC)のリポートによると、世界のインフルエンザの死者数は年間29万1000-64万6000人もいます。手洗い・うがいだけで感染者が半分に減るなら、もっと当たり前にした方が良いですよね。

マスクの着用

飛沫感染を防ぐにはマスクの着用が基本です。マスクは意味がないという人もいますが、飛沫を防いで感染確率を減らす効果はあります。今後は人と話すときはこれまで以上にマスクを意識した方が良いですね。

ただし市販の通常のマスクは繊維が荒いため、飛沫を防ぐ効果しかありません。空気感染するウイルスは空中を浮遊するくらい軽くて小さいため、専用の「N95」と呼ばれる防塵マスクをしなければ防ぐことはできません。

定期的な換気

屋外から屋内に入ると、細菌やウイルスを持ち込むことが増えます。とくに出入りが多い場所は体積に対する菌量も増えますし、落下菌も空気中に舞うことが多いため感染の可能性も高くなります。

そのため、定期的な換気を生活の一部に取り入れてください。たとえ家族に保菌者がいても、三密(密閉・密集・密接)を作らないことでそれ以上の感染を防ぐことも可能です。

部分的な消毒

接触感染や経口感染を防ぐには、よく触れる部分の消毒が必要です。よく触れる部分とは、ドアノブや手すり、エレベーターや電気などのスイッチ、人の手を介して渡されたものなどです。

消毒(除菌)は効果や安全性を考えて選んでください。手に入りやすいのはアルコール消毒液や次亜塩素酸ナトリウムですが、安全性を考えた場合は次亜塩素酸水をおすすめします。

空間の除菌

赤ちゃんや小さな子供、ペット、要介護高齢者は近くに寄って、手で触れてお世話をする必要があります。そんな空間では、安全性の高い空間除菌で空気感染、飛沫感染を押さえましょう。

空間除菌ができる商材はいくつかありますが、次亜塩素酸水を超音波加湿器に入れて使うと高い除菌効果が期待でき、安全性も高いためおすすめです。間違っても次亜塩素酸ナトリウムを空気中に噴霧しないでください。

病原体の特性、感染経路、予防知識は必須

基本的な予防って割と簡単なんだね。

はい、予防自体はとても簡単です。ただ、続けることが大切です。予防は今後の生活の必須知識になると思います。

2000年代に入ってから、SARS、MERS、新型インフルエンザ、新型ノロウイルス、新型コロナウイルスなど新種のウイルスが世界中で猛威を奮っています。

新種のウイルスの中には、コロナのようにワクチン精製に時間がかかるものもあります。ただ、ワクチンがなくても自衛はできます。ガンなどの病気とは違い、予防の意識を持てば細菌・ウイルスの感染リスクは減らせるんです。

もちろん小さな子供には、わたしたち親が「うがいや手洗い」「マスクの着用」「部屋の換気」「安全な除菌方法」などの予防知識を教えて、少しでも細菌やウイルスから身を守ってあげる必要があります。

とくに「安全な除菌方法」は今でも間違った知識を持つ大人がたくさんいるので、必ず正しく覚えてください。

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