
そろそろ細菌やウイルス対策したいんだけど、最近よく聞く「次亜塩素酸水」ってなんだろう?危険なものだと面倒だしなぁ…。

次亜塩素酸水は、よく漂白剤などの次亜塩素酸ナトリウムと間違えられますが、まったく別物です。危険性はないですし、扱い方も簡単ですよ。
わたしたちは、普段から次亜塩素酸ナトリウムを使っています。たとえば「ブリーチ」や「ハイター」です。洗濯で困ったらブリーチ、洗い物で困ったらハイターを使いますね。
もちろん扱いには注意が必要です。次亜塩素酸ナトリウムは刺激が強く、肌に触れると化学熱傷を起こす危険性があります。
子供が触ろうとしたら「触っちゃダメ!」なんて叱りますし、手についたらすぐ洗い流しますね。そんな危ない薬剤を使う理由は、除菌効果が高いからです。
一方、次亜塩素酸水(10-80ppm)は肌についても洗い流す必要がありません。しかも次亜塩素酸ナトリウムの80倍の除菌力があり、ノロ・インフルエンザウイルスも除菌できます。
厚生労働省は、コロナ対策にも有効としています。
また次亜塩素酸水は安全性が高いので、超音波加湿器による空間除菌にも使えます。そのため、意識しなくても安全な空間を簡単に作ることができるんです。

次亜塩素酸水とは
次亜塩素酸水は、厚生労働省が定める次亜塩素酸を主成分とする水溶液のことで、アルコール消毒液や次亜塩素酸ナトリウムに比べて刺激がほとんどなく、肌に優しいことで近年注目されています。
次亜塩素酸水はなぜ安全なの?

次亜塩素酸水はなんで安全なの?名前が危険っぽいんだけど…。

たしかに次亜塩素酸ナトリウムと名前が似てるので、危険に思う人も多いですね。
次亜塩素酸水が安全な理由は、有機物(炭素化合物)に触れるとすぐ酸化して水に戻るためです。
つまり、肌に触れても塩素が残留しないので害がないんです。もし赤ちゃんが誤って飲み込んでも安全ですし、子供が触っても火傷をしません。
次亜塩素酸水はウイルス対策になるの?
厚生労働省の「次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの同類性に関する資料」によると、40ppmの次亜塩素酸水はノロウイルスやインフルエンザウイルスを10秒以内に除菌できます。
これは1000ppmの次亜塩素酸ナトリウムと同等の除菌力です。

ppmとは濃度を表す単位で、10000ppmは濃度1%という意味です。つまり1000ppmの次亜塩素酸ナトリウムは塩素濃度0.1%、40ppmの次亜塩素酸水は濃度0.004%になります。
ちなみにハイターは50000ppmなので、1000ppmの次亜塩素酸ナトリウムは50倍に希釈したものですね。もちろんこの塩素濃度でも有毒ガスは発生するので、使い方を間違えると危険です。
次亜塩素酸水は空間除菌できるのがでかい!
これだけ除菌が注目されるのは、以前より花粉などのアレルギーが増え、新種のウイルスや菌が世界中で増えたからです。
新型インフルは定期的に流行しますし、ノロウイルスも新型化しています。さらに、今後どうなるかわからないコロナウイルスもあります。

わたしたちがこのようなウイルス性感染症と戦うには、自分がいる空間を常に除菌する必要があります。それが加湿器を使った空間除菌ですね。今のところ安全に空間除菌ができるのは、次亜塩素酸水だけです。

アルコールや次亜塩素酸ナトリウムじゃダメ?
ただ、次亜塩素酸ナトリウムでもノロウイルスやインフルエンザウイルスを除菌できますし、アルコール消毒液も時間はかかりますがノロウイルスを除菌できます(できないというのは間違い)。

ノロもインフルもコロナも除菌できるなら、どれ使っても同じじゃない?

そうですね。もし安全に扱えるなら、アルコールや次亜塩素酸ナトリウムでも良いと思います。ただ安全性が違いすぎます。
次亜塩素酸水が注目されているのは、抜群に安全性が高いからです。次亜塩素酸水、次亜塩素酸ナトリウム、アルコール消毒液の安全性は以下のように考えられます。

次亜塩素酸ナトリウムは液体に触れなくても、塩素ガスが発生する可能性があります。塩素ガスによる死亡事故は何件も起きています。またアルコール消毒液もエタノール度数が70度以上あるため、高い可燃性があり危険です。
そのため、どちらも空間除菌には使えません。次亜塩素酸ナトリウムとアルコール消毒液を加湿器に入れて使うのは自殺行為なので絶対にやめてください。
次亜塩素酸水 | 次亜塩素酸ナトリウム | |
---|---|---|
主成分 | 次亜塩素酸 | 次亜塩素酸イオン |
pH値 | pH5.0-6.5(弱酸性) | pH12以上(強アルカリ性) |
塩素濃度 | 50-500ppm | ハイター:5万ppm、ブリーチ:6万ppm、ミルトン:1.1万ppm |
有効塩素濃度 | 10-80ppm | 100ppm-10000ppm |
匂い | 200ppm以上は若干塩素臭がある、また有機物と反応するときに塩素臭がする | 強い塩素の匂いがあり、除菌後も塩素が残るため匂いも残る |
希釈の必要性 | 200ppm以下なら原液でも安全に使えるが希釈して用途を分けた方が得 | 基本は1000ppm以下に希釈して使う |
取り扱い | 直接肌に触れても大丈夫、ほとんど匂いなし | 手荒れ(化学熱傷)の可能性がある、手袋・マスクが必要、換気が必要 |
用途 | 衣服、手指、器具、空間などの除菌、消臭 | 器具、容器などの限定的な漂白 |
安全性 | 肌や粘膜(口や目)に触れても安全、動物や植物にも害がない | 塩素濃度によって火傷(化学熱傷)や肌荒れを起こす、有害な塩素ガスが発生する |
刺激性 | ほとんどない、200ppm以上は若干ある | 強い刺激がある、酸と混合すると有害な塩素ガスが発生する |
除菌力 | 60-80ppmでほとんどのウイルス・細菌を不活化できる | 100ppm以上でほとんどのウイルス・細菌を不活化できる |
消臭力 | 匂いの原因になる細菌を分解して水に戻る | 匂いの原因になる細菌を分解しても塩素の匂いが残る |
劣化要因 | 温度(30-40℃以上)、紫外線、不純物が入った水による生成 | 温度(50-60℃以上)、紫外線、不純物が入った水による生成 |
使用期限:未開封 | 上記を避けて3か月-1年ほど | 上記を避けて1-3年ほど |
使用期限:希釈後 | 上記を避けて数日-2週間ほど | 上記を避けて数日-1か月ほど |
もちろん空間除菌じゃなくても、子供やペットがいる家庭で次亜塩素酸ナトリウムをあちこちに使うのは危険ですし、アルコール消毒液が苦手な人も結構多いですよね。
値段的には希釈倍率が高い分次亜塩素酸ナトリウムが1番安いんですが、1リットルあたりの値段はどれもそれほど変わりません。次亜塩素酸水はどれも手に入りにくくなってるので、以下から探してみてください。
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