ノロ・ロタウイルスの感染が怖い理由は?嘔吐下痢症とは

雑記

ノロウイルスとかロタウイルスに感染するとどうなるの?かかったことがないからわからないんだけど…。

症状は人によりますが、重いと相当辛いですよ。そのため、かかる前の予防が大切です。

少し肌寒い時期になると体調を崩しやすくなります。とくに秋口から春先にかけては、インフルエンザを筆頭に感染症の恐れがあるため、小さな子を持つママは注意が必要です。

たとえば冬から春先に、数時間前まで元気だった子供が突然嘔吐を繰り返し、その後に下痢や発熱の症状が出る場合があります。このような症状で疑うのは「嘔吐下痢症(感染性胃腸炎)」です。

子供が食べたものを全て嘔吐し、吐き気が治まらずに何度も胃液を吐く姿を見るととても怖くなります。では、嘔吐下痢症とはどのような病気なのでしょうか。

嘔吐下痢症(感染性胃腸炎)とは

嘔吐下痢症とは、ウイルスが胃腸に感染して胃腸炎を起こす病気のことで、「感染性胃腸炎かんせんせいいちょうえん」、冬に増えるため「冬期下痢症とうきげりしょう」とも呼ばれます。

嘔吐下痢症の原因

嘔吐下痢症は主にノロウイルス、ロタウイルスによって起こります。症状はそれぞれ違いますが、感染後は数日間の潜伏期間があり、突然の嘔吐や腹痛、下痢、または発熱で発症します。

ノロウイルス・ロタウイルスは感染力が非常に強く、吐しゃ物や下痢に含まれるウイルスによって大人・子供関係なく二次感染します。保育園、幼稚園、託児所では、子供1人が感染すると学級閉鎖の原因にもなります。

ノロウイルスよりもロタウイルスの嘔吐下痢症の方が症状が重い場合が多く、それぞれ対処法も異なるのですが、発症から半日ほどはほぼ見分けがつかないため注意が必要です。

嘔吐下痢症の感染経路

嘔吐下痢症の多くは飲食を通じて感染が始まり、経口感染で爆発的に広がります。とくに、ノロウイルスは食中毒の原因としても有名で、数ある食中毒原因の40%を占めています。

感染を防ぐには吐しゃ物やうんち自体の処理だけでなく、おむつの処理や汚れた衣類、布団、タオルなどの消毒除菌から、トイレの消毒除菌や処理後の消毒用石鹸での手洗いなども必要です。

ノロウイルスとロタウイルスの違いって何?どう気をつければいいの?

はい、ではわかりやすくノロウイルスとロタウイルスの特徴についてお話しますね。

ノロウイルス感染症の症状

ノロウイルス感染症に年齢は関係ありません。そのため、大人も子供からの感染に注意する必要があります。

ノロウイルスの潜伏期間

ノロウイルスに感染すると、1-2日間の潜伏期間を経てからノロウイルス感染症(嘔吐下痢症)を発症します。

ノロウイルスの初期症状

ノロウイルス感染症の多くは、急な嘔吐から症状が始まります。嘔吐を繰り返して胃の内容物を出しきっても5-6時間は吐き気が続くため、吐しゃ物は徐々に黄色っぽい胃液だけになります。

さらに胃痛があり、水分摂取しても全て吐いてしまうため、急な飲食は控えなければいけません。その際は一般的に発熱は少なく、下痢の症状もしばらく出ないことが多いです。

嘔吐下痢の状態

ノロウイルス感染症は下痢が始まると吐き気も多少治まることが多く、小さな子供や高齢者以外は脱水症状の心配はそれほどありません。ただし嘔吐に下痢が伴う場合は、大人でも脱水症状の注意が必要です。

医師に見せるタイミングと治療

初期症状の間は嘔吐が続き、吐き気止めもあまり効果がありません。そのため初期症状が治まってから病院に行き、吐き気止めや整腸剤などを処方してもらいます。

ただし、下痢が伴う場合は脱水症状を起こす危険があるため、早めに病院に行きましょう。

水分摂取はいつから?

最初の嘔吐から6時間以上が経過し、嘔吐や吐き気が治まってきたら、本格的に水分が摂取できるようになります。乳幼児の場合はスプーンで少量づつの水分摂取が基本です。

下痢の症状がある場合は、水分といっしょにナトリウムも多く失います。乳児には母乳を与え、幼児には経口補水液などのナトリウムを含んだ飲料をゆっくりと適量飲ませましょう。

固形の食べ物はいつから?

固形の食べ物は最初の嘔吐から半日以上(12時間以上)経過した後、子供の様子を見ながら与えます。固形の食べ物は状況によるため、医師の判断を仰いでください。

しばらくは胃に刺激を与えると嘔吐や下痢の原因になります。そのため、子供にはすりおろしたりんごや潰したおかゆなど消化が良い食べ物を与え、嘔吐しなければ次の食事で普通のおかゆやうどんなどに変えていきます。

回復にかかる期間は?

ノロウイルス感染症の回復期間は個人差がありますが、5-7日ほどです。これは、お腹の調子が元に戻る期間だと考えてください。嘔吐と胃痛がメインで、次に下痢が続き、その間に発熱があるかないかというものです。

発症から2-3日で全快した様に見える子供もいますが、胃腸に刺激を与えると嘔吐や下痢をぶり返す恐れもあるため、5-7日ほどは食事に気をつけましょう。

ロタウイルス感染症の症状

ロタウイルス感染症は、主に生後6か月-2歳の乳幼児が多く、5歳までに9割の子供が感染する病気です。もちろん、大人でもロタウイルスに感染する場合があります。

ロタウイルスの潜伏期間

ロタウイルスに感染すると、2-3日間の潜伏期間を経てからロタウイルス感染症(嘔吐下痢症)を発症します。

ロタウイルスの初期症状

ロタウイルス感染症は、ノロウイルスとは違い38度台の発熱から症状が始まる場合があります。さらに、嘔吐と下痢の症状も伴う可能性があります。

嘔吐後はノロウイルスと同じく周期的に吐き気を催し、5-6時間ほど胃痛や吐き気が続きます。下痢を伴うため、初期症状から脱水症状に注意が必要です。

嘔吐下痢の状態

ロタウイルス感染症の下痢は24-48時間ほど続く場合があり、3-4割の子供にクリーム状の白っぽいうんちが見られます。

医師に見せるタイミングと治療

ロタウイルス感染症は嘔吐と胃痛に高熱や下痢を伴うことがあるため、経口での水分補給が難しく、点滴が必要になることもあります。

そのため、なるべく早めに診察してもらいましょう。脱水症状の心配がなければ、吐き気止め、整腸剤、下痢止めが処方されます。

水分摂取はいつから?

ロタウイルス感染症は水分摂取が大切です。ただしノロウイルス同様、急な水分摂取で胃に刺激を与えると嘔吐をするため、喉を潤す程度の水分を小分けで飲みます。

乳児の場合は母乳も同様に短い時間を意識して与えます。もし、子供が水分摂取できない場合は、すぐに病院に連れて行ってください。

固形の食べ物はいつから?

嘔吐が続く間は、固形物は食べられません。また強い倦怠感のせいで食欲不振が続く場合もあります。発症二日目には消化が良いものを少量食べますが、下痢が続く間は無理に食べてはいけません。

固形の食べ物は状況によるため、医師の判断を仰いでください。

回復にかかる期間は?

ロタウイルス感染症の回復期間は、個人差がありますが7-10日ほどです。発熱と嘔吐の症状は発症1-3日目にみられ、下痢の症状は1-5日目に見られます。

ただし発熱、嘔吐、下痢などで体力の消耗が激しく、症状が回復しても身体機能の回復には時間がかかります。

うんちには1週間ほどロタウイルスが含まれるため、子供の体調が回復しても1週間は登園・登校を控えなければいけません。

ノロウイルスとロタウイルスの比較

ノロウイルスとロタウイルスによる嘔吐下痢症の特徴と比較を簡単にまとめます。

ノロウイルスロタウイルス
感染の特徴全ての年齢に感染する5歳までの乳幼児がよく感染する
潜伏期間1-2日2-3日
初期症状嘔吐で発症する
嘔吐が5-6時間続く
腹痛がある
発熱する場合もある
37-38度の発熱で発症する
嘔吐が5-6時間続く
腹痛がある
下痢を起こす
嘔吐下痢の状態下痢が始まると嘔吐が治まることが多い下痢と嘔吐が同時に続く
白い便が出る場合がある
水分摂取基本は初期症状が治まってから常に少しずつ水分摂取する
点滴が必要な場合もある
固形物の摂取発症から12時間以上経過してから(医師の判断)発症から1日以上経過してから(医師の判断)
回復期間5-7日程度7-10日程度
予防方法予防接種はない任意の予防接種がある
二次感染吐物・便から感染する
感染力が強く大人も感染する
吐物・便から感染する
感染力が強く大人も感染する

より気をつけたいのはロタウイルスですが、素人が見分けることは難しいです。診察してもらっても、便からウイルス採取をしない限りわかりません。あくまでも、「ノロの疑いがある」ことで薬の処方をしてもらいます。

そのため嘔吐下痢症かもしれないと思ったら、ノロウイルスかロタウイルスかの判断はあまり関係ありません。どちらの可能性もあると思って対処してください。

同じ嘔吐下痢症でも症状は違う

うちではつい先日、家族4人全員が嘔吐下痢症に感染しましたが、それぞれ症状が違いました。

娘の嘔吐下痢症
  • 1日目|夜中に突然嘔吐を繰り返し、4-5時間で7回の嘔吐
  • 2日目|下痢が始まって嘔吐はなくなる、下痢は軟便程度
  • 3日目|昼食でおかゆを食べられるようになる
  • 4日目|下痢は3日ほど続いたが、その間発熱はせず

娘が苦しんだのは1日目だけで、あとは比較的元気でした。もちろんすぐ診察の予約を入れ、翌朝に病院に行きました。さらに病院に行った日に息子も嘔吐しました。

息子の嘔吐下痢症
  • 1日目|夜中に嘔吐1回、その後少々吐き気と腹痛があるがすぐに熟睡
  • 2日目|次の日の昼間は問題なく食欲もあったが、夜にもう1度嘔吐
  • 3日目|見た目も元気で発熱も下痢もなし、念のため病院に行く

医師に聞いたところ、今季の嘔吐下痢症は嘔吐が1-2回しかないパターンも流行っていたそうです。さらに2日後にはわたしの番…。

わたしの嘔吐下痢症
  • 1日目|突然の嘔吐、数時間後に吐き気・発熱(38度台)・下痢が同時に始まる
  • 2日目|丸2日間、嘔吐・発熱・下痢が続く
  • 3日目|嘔吐と発熱が多少は治まり(37度台)、下痢は4日目まで続く
  • 4日目|ようやく下痢が治まりだしたが気分は優れず

嘔吐、下痢、発熱の他に倦怠感と頭痛もあったので、わたしが1番症状が重かったようです。…辛かった。最後に夫がひっそりと嘔吐下痢症になりました。

夫の嘔吐下痢症
  • 1日目|突然の下痢が半日で5回、吐き気はなく微熱(37度ちょい)が出る
  • 2日目|嘔吐はないが多少の吐き気と1日中の下痢
  • 3日目|下痢が治まり、食欲も出だす

夫は下痢が多く嘔吐は1度もなかったのですが、吐きたくても吐けなかったそうです。恐らく同じノロウイルスが原因の嘔吐下痢症でも症状が違うため、確実に見極めることは難しいですね。

嘔吐下痢症の予防

子供のロタウイルスには、任意接種のワクチンがあるため予防できます。ロタウイルスワクチンは生後2か月ごろから予防接種を始め、2回・3回接種します。ただ、ノロウイルスにはワクチンがないため予防できません。

また、どちらのウイルスも潜伏期間が短いことが特徴のため、保育園や託児所で1人でも嘔吐下痢症にかかった子がいたら、手洗い・うがいと除菌などの消毒を行い、感染の恐れがあることも覚悟しておきましょう。

ただし、冬場でも嘔吐を繰り返す病気は嘔吐下痢症だけではありません。他の原因もあるため、ノロウイルスやロタウイルスと決めつけないで普段から予防を徹底した方が良いと思います。

手洗い、うがい、除菌は予防の基本なので習慣にしておくと安心ですよ。とくに感染力が強いウイルスを予防するには、次亜塩素酸ナトリウム、アルコール消毒液、次亜塩素酸水を利用してください。

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